抜けそうな歯を
舌でころがすように
秋の日暮れの駅前で待つ

やや焦げたパンにも謝る人だった

地が揺れて
不安な夜を過ごしても
ああ、なんだろうね
この抜けるような
青空

目薬をさすときに
いわし雲が
入りこんできた

地下鉄で
どうぞと席を譲られて
空の子宮を抱えて
座った

ワタリガニ
出汁を出せ出せ
ガンガンと
フランベしながら
搾取する夜

わたしの足取りを重くする
履き口が伸びた靴下

ピアスの穴から突き抜けて
裏がわまで愛すよ

いちばん可愛く唇がうごく単語
話し合ってきゅうりになった

友と書くとき
二対一に分かれるはらいの行方

なにが足りなくて烏

告白ができてないから
いつまでも
変な筆箱のやつのままだ

噴水がいちばん高いとき黙る

流れ星死を忘れつつある速さ

秋ですという顔をしてビルが立つ

だんだん苦悩に近づいていく宝石

雨どいを流れていった言葉のこと

しりとりをすれば
あなたが
どんな日を過ごしてきたか
わかる気がして

靴の中の小石を気にしながら
満員電車に
揺られている私の事を
誰も知らない

運命

僕にしか聞こえない鈴の音で
透明な森に導かれるみたいなこと

君だけが知ってる
パスワード
蛇いちごを食べても死なないと
知った日曜日

ほとぼりがさめたら
ざぶんと捨てる夏

あの夏の下手くそだった
クロールの指先は
確かに私の
あしたを指していた

発音の手前で湖面に積もる雪

潮騒とともに
あなたがやってくる
フォントを７２にしたような

夜が失速していく駅で
線路際のアパートの
錆びた
雨戸を閉める音を聞いている

真夜中に呪文のような声を聞く
君と故郷の母との電話

雨雲を地上で支えるＯＬが
色とりどりの糖衣をまとう

曲線が多いあなたの話し方
まるでアンデルセン童話みたい

病んでいるあなたの背中に耳を
あて　昨日の海の声を聞いてる

湯船に顔を沈めたまま
ありがとうを十回
唱える
世界はまだ私の味方

病院の地下一階の深夜二時
エレベーターは人を喰う箱

よるべない夜更けの空に
魂を
手繰り寄せては
加速する秋

つま先を夜の記憶に触れさせて
降り積もる雪の影をみている

何かを失うと
世界が狭まり
世界が広がる

生きやすくなった途端
鍵編みの方法を忘れてしまった
小六のわたし

三十九頁、

恋人だった人を
栞がわりに押しこむ。

水族館
ミズダコの足
いっぽんいっぽんに告げてく
「宇宙は青くない」

謝って済むことだよと
駐車場でポピーを折った
君のいく地獄

カレー鍋に
落ちた悪魔の一匹に
だまされて
まだ恋もしらない

ブロッコリー
淋しさのつぼみなんだと
母がわたしの
くちへつめこむ

骨の折れた傘は
ひらがなのなまえを
ねむりにつかせ
収集を待つ

脳みそが
ずっとちょうちょを
探しているので寝れません

真実はねむたい羽根のようなもの

母の背に負われ
蛍に触れた日の
わたしはやわい神様だった

親友が本音を零す
ほろほろと崩れる
鯛の煮付けみたいに

恋してたら刻みネギが
ぱっさぱさになってしまった

指切りをほどく瞬間までが夏

ちぎりパンみたいな雲が
散らばって
空は天使の食卓になる

眠れないからだを
海として起こす

花の匂いがする夜明け

ほたる色したコンビニに

祖母がいる

殻になるとちゅうの部屋で
抱いていた膝が

しずかに発光してる

びんぞこを覗けば
青い春がある

秋天が落っこちてきて
ぼろぼろの羽を
あなたに赦してもらう

生きにくい世界を
ふっと横切って
光を落とすだけの太陽

ほろほろと花を
零して歩くひとだから
隣じゃなくてもいいよ

水槽を覗けば
ぼぼぼぼぼぼぼと
金魚は硝子玉の目をして

下敷きを挟めば海になるノート

古代ローマに赤線を引く

かなしみに終わりがあると
知っている肺が大きく
息を吸い込む

ぴかぴかのホルンケースを
抱きしめて友は地球の終点へゆく

購買のキャラメルパイを奪い合う
今日がいつかになる日を思う

すぐ蹴るし殴るしぼくの妹は
ひとりぼっちの怪獣みたい

くらがりの湯船に月を落とし込む


ぼくを忘れてくれますように

すれ違いざまに聞こえた鼻歌が
知らない彼の一日語る

冷凍庫からガシャンと
氷の雪崩が聞こえてくる
泣きたい日ほど氷を作る

金曜日のスパイスの香りの横で
土のはじまりが黴だと知った

終電のあとの線路を剥ぎ取って
大縄跳びをしたい、ひとりで

安物の黄色の付箋を光源に
貼り付けたのなら月光だった

セキュリティーゲートを突破した
鳩がエレベーターの前でくるぽぽ

ひとつずつ失っていく純情よ　
最短経路で駅に向かえば

伸びるほど
揺れやすくなる昇降機
僕はあなたと老いていきたい

真夜中の世界に忍び込むように
静かに家の鍵をかけてる

恋人がじゃーん、と
買ってきてくれた
ガーベラを
ゆっくりと枯らしていく

僕たちは液体としてじゃれあうが
ハンドル持つ手は十時十分

青空の罫線として電線を、
僕らが利き手で掴む焦燥

コンパスの針刺し直す短夜に

長針よ狂えよ夏を従えよ

首すじも乳ぼうもさらしたよ
けど　わたしのなかの紫の鳥居

気に入った文字と
ひとつになれたらな
仰向けで上目遣いで　弓

綿あめに顔を突っ込むしあわせよ
死後の世界ってそんなかんじ

改札を出たらひらたい海ひとつ
抱き寄せるから死んでいいから

こもれびの影が
ゆらめくこの部屋に
ずうっと海があったんだよね。

終わったら、レモンソーダが薫る
川へとひとりずつ入ってくのね

電車で本を広げるとぴぴぴって
差しこむひかり　戦争をしらない

急停車しますって
ふいにアナウンス
みんなはだまって鱗をおとした

ピアス穴ふえた耳たぶがさびしい
底に溜まった砂糖を舐める

夜が手のひらから溢れそうになる
うずくまってるこうもり拾う

月を踏む君のつま先　水滴で
ひかってわたし迷子にさせて

春の川へと溶けていく雪みたいな
音をさせてオーブン光る

嘘っぽいあ行を連れてバスボムを
溶かした風呂に髪まで浸かる

手に余るあなたのからだ
掻きわけて静かな浜へ
泳いでいきたい

太もものあざの色したアケビ蹴る
鞄に詰めた秋の鳴き声

シャッターのなかの私は息を止め
風を知らないアネモネだった

朽ちていくだけの廃墟を抱く蔦の
ノンレム睡眠のような緑

上履きのかかと潰してしんとした
だまし絵みたいな廊下をすすむ

銀色の折り紙で明日を折りました

習いたての
定規の使い方を駆使して
赤ん坊の掌の
長さをはかる子よ

今は海底にある都市で
騎士を志した少年の子孫が
途上国の少年兵として死んだ

鰯雲で白米頬張る月末

心を綺麗に拭いたのに、
月は、ぼやけたままでした

太筆で描いたみたいな濃い虹に
捕らえられ動けない鉄塔

鴉たちの羽根の隙間に
捨てられた
声が刺さっている
線路上

雨の後あちこちに落ちている空を
レインブーツのつま先で踏む

私たち愚痴を書く時ひらがなの
とめ　はね　はらい　が
活発になる

いちじくの『じく』は
いつでも濡れている

頬張った柘榴をぶちぶち噛み砕く
命もこんな感じだろうか

妹は六時間だけ生きていた
私が寝ている間に死んだ

来世では蛇口がいいな
どんな傷口でも綺麗に
してあげられる

好きなタイプは、蜜柑を
おひさまの形に剝けるひと

一つだけミカンに顔を書いておく

本物の
荒野は向こうにあるはずで
合わせ鏡で家出を試す

ケトルには
しずかなお湯が沈んでる
あの世の朝を汲んだみたいに

真四角で
ル・コルビュジエの家みたい
母がすらりと切った豆腐は

五秒程度は
スキップボタンを押せない
そんな詩を

映写機の前に立ってる先生の
ひろい背中にラテンアメリカ

ちかさんは映画の好きな人でした
わたしの知らない「婚約者」の姉

鳥たちがめちゃくちゃに飛ぶ絵
の付いた別れる時だけ使う便箋

父さんのバンドに入りたかったな
そう言って友はサックスを売った

母さんへ知っていますか私って
あなたの愛する人との子です

愛国と書かれたバイクの大騒音
その国の中にあたしも居るけど

雨とは冷たく優しく煮込む音、
我々柳は柔らかくなりたがって、

実椿の硬さ遺髪の柔らかさ

秋旻に紅引くような星滑る

昼空の見えない星の尊さよ
君が作ってくれたチャーハン

飛行機が空を飛ぶこと
まだ少し信じられない
兄の結婚

ひまわりすべてが
こちらをみている
宇宙剥き出しの空の下

ここんとここんとん

氷山の一角に一角獣
なにしてるんだあいつ

背うああああああああ中
ってくらい背中がかゆい

君の隣で簡単な身体になる
ベランダに雪うっすらと

夜が更けて
昼には見えなかった
自分の深い所に手が届く

夕焼けの後に
黄色く光る月の光
故郷の母は
月よりも近くにいる

水仙の
球根放つ
土用間日

「あんときゃ辛かった」
と
祖父が叔父の墓石を磨く

悲しみは今日も人を照らす

あの海岸で死んでみたいと
君が笑う
醤油を取ってと
私も笑う

寒空を白鳥が二羽翔けてゆき
私は返事を決めたのだった

がりがりと音だけ響く
麻酔の中 
なにがどこまで削られてるのか

熟れすぎた
赤黒い柿
墓がある

壁越しの兄、
低き声羽音のよう

木漏れ日が日向になっていくけど
寒いね

やや焦げたパンにも謝る人だった

窓際の光の帯に
腹を出し
のびする犬の
腹の毛そよそよ

地が揺れて
不安な夜を過ごしても
ああ、なんだろうね
この抜けるような
青空

小学校統合すると
聞かされて
残る母校は
高校しかない

地下鉄で
どうぞと席を譲られて
空の子宮を抱えて
座った

地下鉄の持ち込み禁止物の欄
死体とさらりと書いてある狂気

日曜の夕方各駅停車内
明日への憂鬱のように
静かだ

嘘をつかれました横たわるがんも

いちばん可愛く唇がうごく単語
話し合ってきゅうりになった

友と書くとき
二対一に分かれるはらいの行方

トンビにとられてもいい本を読む

なにが足りなくて烏

シャボン玉
ストリートジャズの
辺りから

嫌いな奴に欠伸がうつる

アネモネも
嘘も
誠も
さようなら

微熱すらない仕事の朝

神話形態では
狩られながら異端児
冬の花弁に集る揚羽蝶の様相

はがさない方がいい
うさぎのシール

身を守るために飛ぶ飛魚の
躍動感に似たおはようの声

星の名を君はいくつも知っていて
どこか哀しい顔をしている

読みさしの詩集に
青い栞が挟まれいて
それから
空のことばかり考えている

万感の思いがくるぶしに宿る

静謐な夜を試験管に注ぎ込み
銀河にばら撒く仕事をしている

君だけが知ってる
パスワード
蛇いちごを食べても死なないと
知った日曜日

陽射しにも匂いがあると言う
君の首に
纏わりつく秋の風

誰もいない街の静けさ
干からびた川をまたいだ
古ぼけた橋

僕がいても
いなくても
この空は空
この海は海
あの夏は夏

横断歩道ですれ違う
少年からは
まだ、
夏の匂いがした

ガラス張りの空が風にめくれて
朝顔の青が滲んだ

黄昏れに聴くジャズ
野良猫のあくび
缶コーヒーの冷めた温もり

燃えるゴミ、燃えないゴミ
と分けながら
どこかで
恋をあきらめている

ステータスシンボル
みたいな猫じゃらし

古書店の午後の木漏れ日
さみしさを
誤魔化して読む
老人と海

虫メガネで蟻を焼いてた、弟も

夜が失速していく駅で
線路際のアパートの
錆びた
雨戸を閉める音を聞いている

スウェーデンリレーのように
終盤になればなるほど辛い初恋

この風に触れると秋の重心が
ずれて冬へと進路を変える

ゆび先で車窓の露に書いた文字
どうせすぐ消すから書いた文字

よるべない夜更けの空に
魂を
手繰り寄せては
加速する秋

旅立ちの朝に出す絵葉書の空
過不足のないみずいろのそら

つま先を夜の記憶に触れさせて
降り積もる雪の影をみている

ゲームの中でも弱い僕

歌人の聖地は孤独の中に

サモエドの毛並み
いわし雲の魚群
金木犀の甘みがふわり

夢の中で私はクレヨンと
亀の子タワシで
色彩豊かな絵を描く天才だった

妬みは蜘蛛の巣
怨みは蝉の抜け殻
大丈夫
全部
蝋燭の火が消してくれる

デザートは
ひとつでいいと
言ってたが
本当かなぁ
カゴに足しとく

名前が微かに残るタオル
病院への小旅行を思い出す

ぼくの苗字と同じ発音の英単語を
弓道場で教えてくれた人

知りたくなかったことも
言わなきゃよかったことも
小瓶に詰め込んで
眠る

モスキート音の周波数のことで
危うく喧嘩になりかけた

浄めのための盛り塩が
その辺どんどん
錆びていかせてる

生きづらさを
まだ親のせいにしてる。
嫌になるのに
変わろうと　しない

炎、
ずっと諦めて
ぬいぐるみでいた私に
さしせまる
炎。

水族館
ミズダコの足
いっぽんいっぽんに告げてく
「宇宙は青くない」

ブロッコリー
淋しさのつぼみなんだと
母がわたしの
くちへつめこむ

喪服とす学生服の袖に花

羽ばたけぬ蝶を
椿の葉の上に乗せて
散歩をおしまいにする

母の背に負われ
蛍に触れた日の
わたしはやわい神様だった

眠れないからだを
海として起こす

花の匂いがする夜明け

ほたる色したコンビニに

祖母がいる

殻になるとちゅうの部屋で
抱いていた膝が

しずかに発光してる

生きにくい世界を
ふっと横切って
光を落とすだけの太陽

人はみな淋しい樹木小鳥来る

教室の窓辺できみを
待っている時の私は
かわいい。 たぶん

蟹食えばわさわさ動く表情筋

グラタンが合うので冬の夜がすき

寝台に投げた 
じぶんの身体へと
ゆっくり夜が滲み込んでゆく

ぴかぴかのホルンケースを
抱きしめて友は地球の終点へゆく

うまそうなチキンを
母が買ってきて
四畳半がちょっときらめく

購買のキャラメルパイを奪い合う
今日がいつかになる日を思う

技巧とか見栄がいらない
友人と並んで食べる
やわっこいグミ

教室の
たった一個の空席が
こんなにぼくを弱くしている

すぐ蹴るし殴るしぼくの妹は
ひとりぼっちの怪獣みたい

学校にいっぱい
好きな人がいる
いとこの八重歯

まぶしいやえば

感情をペンキのようにぶち撒ける

一拍おいて後悔が来る

図書室の窓辺で
浴びているひかり

模試の結果を握り潰して

宗教の勧誘くらい嫌になる
同じ授業のあの子のくるぶし

カメラロールでピースする君ああ
多分これはさみしいほうの笑顔だ

人間の体温ばかり求めては
こぼれつづける醤油のひかり

花野へと夜は放たれてラスボスの
魔王が降りて来そうな雰囲気

冷蔵庫の豆腐の消費期限と
同じ匂いがする逢魔が時

ぴ！

さっき逃がしたのに
罠にはまるＡＩ掃除機

いかにもなバイクうるさく
その人に存在している苦痛を笑う

セキュリティーゲートを突破した
鳩がエレベーターの前でくるぽぽ

青果店のおやじの厚意で渡された
プルーンがシンクに落ちて秋雨　

ランドセル背負って少女は階段を
液体みたいにくだっていった

デラウェアを
痰みたいだと言う奴と
同じ野球部出身の俺

心拍が強まるほどの地震でも
収まればまた人を嫌って

十月は里親月間
十月は食品ロス削減月間

二年後のあたしも
例えばイタリアで
うまくいってるような気がして

グラタンを温めなおす冬の夜
これから満ちていくかも、心

林檎喰う火星の耐えられない重さ

こもれびの影が
ゆらめくこの部屋に
ずうっと海があったんだよね。

蝶々がくうを切るおと君の住む
くにの桟橋なにいろですか

電車で本を広げるとぴぴぴって
差しこむひかり　戦争をしらない

春の川へと溶けていく雪みたいな
音をさせてオーブン光る

朽ちていくだけの廃墟を抱く蔦の
ノンレム睡眠のような緑

上履きのかかと潰してしんとした
だまし絵みたいな廊下をすすむ

目の奥に月をこっそり潜ませて
催眠術を教えてあげる

銀色の折り紙で明日を折りました

切り株からひとつ芽が出ていた
先週逝った友に似て
ひょろりとしている

息子の眉の下がり具合に
別れた妻の面影をみる

秋風に負けて深海魚になった

あの日、わたくしの母は
婚礼布団とオリーブを持って
父の家にやってきた

雨傘は右に大きく傾いて
君の隣はいつも寂しい

天気予報曰く午後から雨らしい
少し濃いめに入れるコーヒー

頬張った柘榴をぶちぶち噛み砕く
命もこんな感じだろうか

飲めもしない
無糖の缶コーヒーを買う
春の墓地から帰る途中で

みかんよりオレンジが良い
手のひらで握り潰せぬ
硬さがあって

妹は六時間だけ生きていた
私が寝ている間に死んだ

丁寧な暮らし例えば
窓際にポンポン菊を飾るなどする

グラタンを食べると冬な気がする
と言うくせに今日も帰ってこない

口元を覆う不織布一枚が
私に貼られたラベルみたいだ

丁寧に夜空を横切る白鳥座
私は必死に自転車を漕ぐ

好きなタイプは、蜜柑を
おひさまの形に剝けるひと

逃げ場が無い
教室みたいだ
チャンネルを変えても
同じニュースばかりで

子供達が
見えない羽を広げて
キャッキャッと
公園で遊んでる

神様なんていない
だけど　いたらいいなと
毎日思う

カーテンが揺れる2021
世紀末がまだ来ない朝

映写機の前に立ってる先生の
ひろい背中にラテンアメリカ

この人は運命の人と笑う母
ただのオヤジを愛してる母

鳥たちがめちゃくちゃに飛ぶ絵
の付いた別れる時だけ使う便箋

父さんのバンドに入りたかったな
そう言って友はサックスを売った

故郷のハワイは今日も快晴と
フラ習う君岐阜生まれじゃん

隣室もジーンズ干してる月曜日
プールみたいに雲が流れて

一筋の涙も影には映らない
幹登る水が見えないように

実椿の硬さ遺髪の柔らかさ

金琵琶を煩く感ずる日があって

人の居ぬ地に風食みの糸芒

裂くような子の笑声に秋気濃く

秋夜侘ぶ一輪挿しのように星

吹かれたく親指立てる雪迎え

昼空の見えない星の尊さよ
君が作ってくれたチャーハン

もう少し青く染めたい
この髪に
誰かが宇宙を見つけるように

教室に馴染めないから
馴染みたくないから
ちゃんと授業聞いてる

ミニチュアのパンの
ピアスをつけるきみ
上手く言えないけどそこが好き

青空と宇宙は別のものみたい
宇宙みたいな青空の写真

？凹凸凹凸ohムカデ

背うああああああああ中
ってくらい背中がかゆい