独りは寂しい
私はそれを知っている
「どうしたの？」
この一言が救いの事も

暖かい日
気の早い桜が
一輪咲いてしまった
きっと後悔しているな

春の匂いがした
鼻の奥が
「春が来たよ」と教えてくれた
遠い記憶が蘇った

水鳥の護岸工事の音に消ゆ

雪解けや母子家庭の子嫁ぎゆく

虎落笛竜の鳴き声夜に聞く

一陣の風に我抱く春寒し

ゆくりなく海に溶けゆく春の闇

どこか遠くへ逃避行
夢みるだけで
いつもの駅にただいま

うるむ目からぽたりとこぼれた
金色のヘッドライトと青信号

缶コーヒーなんかで
大人になった気分
右手を温めながら
背筋を伸ばしてあるく

電話越しの声が
明るいなら
夜に溶けそうな三日月も
まぶしいくらい

昨日は消えない
苦かったり甘かったりしながら
ふわふわ浮かんでる

両耳を覆う手は
いつの日かあなたを抱擁する手に
変わるでしょうか

平瀬で見た死の淵は
穏やかな憂懼で
体を包んだ

期待しないという言葉を
握りしめた
緩衝材にするために

「刺して」
しゃがれた声でそう言った
血走った眼で合図する
１秒後の世界

頬に刺さる冷たい風を
うけながら

居場所を探す

かなしいな
ひらひらマントを夕焼けにどうぞ
きいきいの海へ願いをあげる

何でもない、きずつけることばの
かけらのあわいのしじま

泣きながら今を睡るうた
丁度好いくらいが足りない夕べ

船に乗ったら想い出せぬよ
ふたりでお揃う観覧車のよう

だって泣いているんだもの。
鼓動がいらない
明後日の
心臓だけが　私の為に

陸に生まれ紫陽花は寂しく濡れて

眠るときあしたが滝になって降る

音漏れが凄くて揚羽蝶だった

天の川ゴミ捨て場まで寝癖のまま

蟹朽ちて砂つぶごとにある光

　　　　　　　　凍蝶や

羽生大谷に遅れてるンゴ
ｗ

どちらかといえば♂かな

　　　　　　　　虹の月

　　　　　　　　　鍋熱く
　　　　肉くれるおじさん


に殴られてきました

　　　　　　初雪に
透き通らないからだ

家やきたい

惑星（ほし）離れ
何か　忘れた

ハンバーグ忌

かじかんだ手を突っ込んだ
ポケットの
検索履歴にある安楽死

iPhoneが
命のようにぬるくって
ほんとのわたしよりそれっぽい

山茶花のつぼみあかくて
そう言えば
抱きしめられた記憶がないな

シャー芯が折れた瞬間
のど元に
刺さったみたいな感じが残る

いつだって明るい人になりたくて
ひとり練習する呼吸法

夢という解釈が成り立つまでの
自由落下に
願いごとなど

夜までの長い軌跡を
えがかせるために頭を
また持ち上げる

引かれあうままに
ぶつかりゆく武道
まるで太陽系のはじまり

意識だけ差し出してから
帳尻を身体で合わすほど
走るのだ

背負い投げされて
天地がすげかわる瞬間俺は
流星として