ここまでをプロローグと仮定 表面張力
柔らかい貝 耳に耳すます
青ペンで解いて追試と告げられる
夢で三年過ごした後の朝
オーダーメイドの夜に 署名するためのペン
くるぶしまでしか 海を知らない
振り返って こっちが前だって言ってほしい
打ち上げられて まだ透明な 海月たち
君が地図 だとしたらその中の 川でありたい
パキラが 水を吸ってくれて 助かる
無人道路 速度あげてく自動車も無人
生をめくって 裏にかいてある「あたり」
放たれてまだ水平な紙飛行機
読み仮名ふってくれたね あじさいって
捨てられた種でも芽吹く 生きている
前もって愛す というルール下の遊戯
離別の予行練習 目をみて話す
馬であったらやり過ごせた夜
水道水 冬の季語だとうそぶく教師
メルカリで買った詩集にひく赤線
向こう岸の匂いとか想像してみる
マイナンバー 知らない人の舌も赤い
そこが海だと仮定しても不完全
花を摘む体にやどってしまう温度
空であって無でない箱 履きなれない靴
二話目から観る ドラマの主人公が分からない
宇宙旅行 我が季語一新される夜
触ってる心地がしない 水面に雨
見えなくてもそびえる 耳の柔い固さ
祈る 夜のパーキングエリア無人
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