傷つきましたねと言われ月実る
メトロ乗る季節の軸に近づいて
鳥渡るアットマークの知らん人
どの石畳も記念日反応
パステルの夢の妹浮いて来い
続柄に何も書けない遠花火
夜ひとり森のかけらで飯を食う
チョコレートがない父が帰らない
水盤に椿だれかの娘になりたい
お守りの中にはひみつの階段
保健室のカーテンを頬に当てる 泣けば泣くほど庭になってく
お茶会に 行かない子だけ飼っている ティーカップの中にイルカを
こんぺいとう食べたイルカは 恋をしない
消火器の横で心に擬態する
腕時計 うつむく人だけの惑星
先ほど夜明けに喩えたカップ洗う
命って形で揺れる干した烏賊
ピルエット 女が星を補強する
忘却の速さで解ける春つらら
人生は永い留守番 虹滲む
たましいのやさしい部分だけ齧る
寒椿 ひとめぼれとは突然死
保育器に太陽系が眠ってます
キキララが嫌い 春雷 目を開けない
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