いもうとになったことしかない 星は風が吹いてもゆれたりしない
つなぎたいと言って繋ぐ手 未来ではなくて来世の ことを話して
奪いたいわけではないと 言うひとに奪われている 夜とか骨を
街じゅうの影をあつめて さよならの 記憶をいちばん眩くさせる
狐雨 嘘ににおいのあることを 知らないひとの枕を干せば
まだ固い桃のもも色 約束を おそれていないひとの目の色
たいていは嘘なのだから言葉など 白紙にちかい地図とおなじで
核心にとおい会話をつもらせる わたしを守る堤防として
さいごまで あなたはとおい国だった 寝言にだけ方言をのこして
ベランダは月の容れもの ありふれた口約束ほど ひかってしまう
てのひらは内側だから明け渡す ように繋いで 透けゆくあわい
感情を四つにわけて話すとき わたしの舌の根にある砂漠
どの水も水であること 幾つもの流れなかった涙を思う
注釈のいらない過去を話すとき ふたりの間にあるながい川
夕立がくると知りつつ会いに行く 正しさと孤独って似ていた
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