胸のゴミ山で見つけた本心を 子猫のように抱き上げた夜
寂しさに気づいてほしくて、 会う日にはいつもきちんと マスカラをした
濡れ髪で落ちる夕日を見る土曜 旅するように暮らしたいんだ
水底に散らばるおはじき キラキラと 幼い日々は眠り続ける
春雨のような銀髪きらきらと 未亡人には桜が似合う
出会いたい人に 出会えぬ気がしてる 薄暮の中で干した洗濯
「さよなら」で 割れたくす玉みたいだね この世の果ての団地の桜
眠りから現に落ちて 夢の尾が ラムネのように光に溶ける
夜桜に少女の声で呼ばれ、見る 帰り道がわからなくなる
捨てられない 片方だけのイヤリングみたいに 自分を大事にしてる
銃口のような瞳で見つめられ 恋はひとつの死だと悟った
内臓が鯨の声で鳴く ぼくも海からはぐれた しぶきの一つ
本当はシャンプーを流す時にだけ 今でも思い出すんだ、きみを
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